くも膜下出血

脳と心臓は、生命活動の中心であると同時に不摂生な生活の影響を受けやすい部位であるといえます。
特に厳重に守られている脳は、保護機構そのものによって害を受けることさえあります。
脳を保護するくも膜の下に出血が起こるくも膜下出血は、どのような症状をもたらすのかなどを紹介してきます。

強い頭痛を伴うくも膜下出血とは?

脳と頭蓋骨の間には髄膜という膜があります。
髄膜は硬膜・くも膜・軟膜の三層とくも膜と軟膜の間に充填された脳脊髄液から構成されていて、衝撃を吸収する働きを持っています。

このくも膜と軟膜の間に出血が発生するくも膜下出血は、脳に起こる疾患の中でも厄介な代物なのです。

くも膜下出血の症状

くも膜下出血の症状として言われるのが、「強い頭痛」です。

日常的に起こる頭痛はジンジンと染みるようなものから頭を叩かれたようなものなどがありますが、くも膜下出血の場合「バットで突然強打されたような痛み」が襲い掛かってきます。

ひどい時にはめまい・嘔吐を伴い、傍から見てもくも膜下出血を患っていることがわかるほどです。

血腫が出来ている場合は頭痛だけでなく片麻痺や失語症などの局所症状を合併する場合があります。

出血量が多い場合は命に関わる危険性が飛躍的に増大します。

くも膜下出血の原因

くも膜下出血の発症原因としては、家族性の脳動脈瘤の破裂が大きな要因として挙げられます。
つまり、くも膜下出血は遺伝によって発症が左右される疾患でもあるのです。

家族性脳動脈瘤以外の原因では、脳動脈と脳静脈が吻合した脳動静脈奇形という先天性疾患や外傷性出血があります。
また、不摂生な生活や高血圧は発病リスクを上昇させる要因となります。

くも膜下出血は、遺伝性のある疾患で祖父母の代からの隔世遺伝によって発症することがあります。
もしも、あなたの祖父母にくも膜下出血を患った人が居た場合は充分な警戒が必要になってきます。

前兆と後遺症

くも膜下出血では、前兆らしい兆候はほとんど見られないようです。
出血が脳脊髄液に混じりだし、病態を形成する頃には既に症状が現れているからです。

その一方、治療後の後遺症が出やすいのが特徴と言えます。
脳動脈が縮んで細くなる「脳血管れん縮」、脳の内部にある脳室に液体が溜まる「正常圧水頭症」などが、くも膜下出血の後遺症です。

脳血管れん縮は血管が細くなるため脳梗塞を引き起こす原因になり、正常圧水頭症は脳が液体で圧迫されて精神機能障害や運動障害などを引き起こしてしまうのです。

脳血管れん縮には昇圧剤の投与、正常圧水頭症には脳室に溜まった液体を移動させる脳室腹腔シャント術が適応になります。

治療について

くも膜下出血の治療では、主な発症原因となる動脈瘤を破裂する前に処置することが重視されます。

動脈瘤への処置としては、根元をチタン製クリップで挟んで血流を止める「開頭動脈瘤クリッピング術」、脳動脈に到達したカテーテルからプラチナ製コイルを動脈瘤に充填して固める「脳動脈瘤コイル塞栓術」が主流となっています。